『同窓生便り』第11号 56回生吉村 司 「合歓の郷合宿」が繋いでくれた 焚き火の思い出を今胸に。

僕は今「グランピング」という事業を手がけています。淡路島と鳥取・大山にFBIというキャンプ場を持ち、正統派のキャンプから、手ぶらでも自然を快適に楽しめるグランピング・ライフスタイルを提案しています。さらにそんなノウハウを活かしたグランピング企画開発会社を朝日放送の子会社として経営。代表取締役を務めさせてもらっています。

それでは僕は昔からのキャンプマニアだったか?といえば、とんでもない!10年前に長年勤めたマガジンハウスという出版社を早期退職するまでは、テントに泊まったこともなければ、まともなバーベキューをしたこともありませんでした。しかし、淡路島のビーチにあった海の家を仲間たちとリノベーションして、キャンプ場を手がけることになり、50歳になってようやく自然に目覚めたのでした。

そんな僕の自然体験は、甲南小学校の学童だった頃に体験した「合歓の郷合宿」にたどり着きます。もう50年ほど前のことですから記憶は曖昧ですが、美しい森の中で空気を胸いっぱいに吸い込んだこと、夜焚き火を囲みながら星空の下、先生のギターで「パフ」(Puff the Magic Dragon)を同級生みんなで合唱したことを思い出します。それはまさに自然を快適に楽しむグランピング体験でした。

昭和40年代の甲南小学校では様々な「自然体験」を僕たちに与えてくれました。まだ夜が空けきらぬ早朝、阪急岡本駅に集合し保久良山を登る早朝登山などはその典型でしたね。

そうやって小学生時代に育まれた豊かな自然体験が、幾つになっても失われることはなく、僕なら50歳になってからようやく花開いたのかもしれません。

キャンプ場で焚き火に薪をくべて炎をじっと眺めていると、不思議なことに合歓の郷の美しい高原と、満天の星空と、おそらくキャンプファイヤーをしていたのでしょう、同級生たち全員が先生を囲んで歌っているリアルなシーンが記憶の中に鮮やかに甦ります。それは、僕の人生にとってとても特別な自然体験でした。

甲南小学校56回生

吉村 司

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※写真はFBI淡路島の施設、焚火のシーンです