「作曲家・大澤壽人」コンサートのご案内

━ 時代を超えたモダニズムにいま脚光 ━


 「神風協奏曲」の愛称を持つピアノ協奏曲3番が2003年に65年ぶりに再演され、2004年にナクソスより発売された彼の作品を収めたCDが平成16年度文化庁芸術祭のレコード部門優秀賞を受賞。時代を超えたモダンな作風がいま改めて脚光を浴び、再評価の機運が高まってきています。
 作曲家・大澤壽人(1907−1953)神戸の企業家の息子に生まれ、幼少期からクラックに親しんだ。1930年に関西学院高等商学部を卒業後、米国に留学。ボストン大学やニューイングランド音楽院で作曲やピアノを学び、日本人として初めてボストン交響楽団を指揮、自作を発表した。次いで1934年、ロンドンを経てパリに渡り、作曲をデュカスやブーランジェらに師事、経歴は同じ関西出身の作曲家貴志康一(1909−1937)に引けを取らない。1936年に帰国後は、宝塚劇団のミュージカルや映画音楽まで幅広く手がけた。戦後は自ら組織した楽団を率い関西の放送局で音楽番組を担当、神戸女学院で教壇にも立ったが、46歳の若さで急逝。作品は再演の機会に恵まれず、その存在は一時忘れられていた。
 大澤亜希子(69回生)さんは、そのお孫さんにあたり、「日本の音楽界にこんな人間がいたことを多くの方に知ってほしい」と、以下のコンサートのご案内をいただきました。音楽に興味のある方は是非聞きに行ってください。

1.大澤壽人交響作品個展

  
2006年3月4日(土)18時開演 大阪・いずみホール/全席3,000円
  指揮:本名徹次(オーケストラ・ニッポニカ音楽監督)
  ピアノ:三輪 郁/ソプラノ:腰越 満美/管弦楽:
オーケストラ・ニッポニカ
  (お問い合わせ:いずみホールチケットセンター 06-6944-1188)

2.作曲家・大澤壽人とその時代
  2006年3月12日(日)14時30分開演 兵庫県立芸術センター
  指揮・芸術監督:佐渡 裕
  ピアノ:迫 昭嘉、管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
  
(お問い合わせ:芸術文化センター 0798-68-0255)

3.
昭和9年の交響曲シリーズ(その2) 大澤壽人

  2006年3月12日(日)14時30分開演 東京・紀尾井ホール/全席指定3,000円
  
指揮:本名徹次(オーケストラ・ニッポニカ音楽監督)
  ピアノ:三輪 郁/ソプラノ:腰越 満美/管弦楽:
オーケストラ・ニッポニカ
  (お問い合わせ:紀尾井ホールチケットセンター 03-3237-0061)

(2006年1月8日 HP委員)