『同窓生便り』第14号 43回生 近江 一彦、46回生 近江 隆司「幻の聖火ランナー」のリベンジ

新型コロナがなかなか終息しない中で、オリンピック開催の是非が問われておりますが、私は兵庫県の聖火リレー走者に選んでいただき、2021年5月24日の篠山城跡広場のセレモニーにおいて、10人のグループ・ランの一人として走らせていただきました。

②2021年の兄弟 (2)  ④弟の保管しているお宝 (3)

マスクマン

この聖火リレ-には特別の想いがありますので少しご紹介をさせていただきます。

1964年の日本で初めて開催された東京オリンピックの時、私 一彦は甲南高校二年(小学校43回)、弟の隆司は甲南中学二年(小学校46回)でしたが、兄弟そろって芦屋区間を走る聖火ランナーとして随走者に選ばれました。

①1964年の兄弟 (2)

我々の担当する芦屋第二区間のチームは、13人の甲南中高生と10人の芦屋女子中高生で編成され、トーチを持つ正走者は高校三年の上塚さん(奥様と二人のお子様は甲南小学校同窓生)、そして13人の男子メンバーのうちで何と我々兄弟を含めて7人が甲南小学校の卒業生でした。

当時、兄弟二人が選ばれたことで母(旧姓 森 小枝子 小学校22回)は大層喜んでくれたことが思い出されます。

しかしながら、本番の前日に阪神地区を襲った台風のために、大事をとって当日は聖火は車で運ばれることになり、全国で約10万人の聖火ランナーのうち、阪神間の約600人が走れずに幻のランナーとなってしまいました。

東京オリンピック開催の決定を機に、当時の涙を飲んだ仲間が集まり「56年目のファーストランの会」を結成し、再チャレンジに向けて4年間活動をしてきました。

今回はコロナの関係で当初予定の県庁からの公道を走ることはかないませんでしたが、各自が順次トーチを持ちまわって走り、57年間途切れていたオリンピック聖火をつなぐことができたことに感謝しております。

弟も当初からファーストランの会の中心スタッフとして活動してきており、当日は弟の思いと一緒に、そして当時喜んでくれた母へ感謝の気持ちをこめて走ることができました。

今回、寄稿にあたり、体力の基礎を作っていただいた甲南小学校の想い出は、まず何といっても毎日の朝礼時の上級生と一緒に校庭を走る駆け足です。
そして大運動会と小運動会の時に購買部で買った地下足袋とサロメチール塗りたくって走る学年対抗リレー。ちなみに妻の右子(小学校46回)と弟は選手競争の選手でした(笑)。
また土曜遠足や早起き遠足など、当時の様子が沢山蘇ってきます。

甲南の教育理念の知育・徳育・体育のうち今回はオリンピックにちなんで体育に関連したお話をさせていただきました。

⑤朝礼時の駆け足 (2) ⑥ビリの私 (2)

⑦地下足袋 (2)

甲南小学校 43回生 近江 一彦
46回生 近江 隆司