祖父「大澤壽人」の音楽

69回生 大澤亜希子


 作曲家である祖父の残した楽譜を見てもあまり実感のなかった私ですが、一昨年2月東京・紀尾井ホールで 行われた演奏会で初めてオーケストラの演奏を聴き感激致しました。
 「ピアノ協奏曲第3番 変イ長調」 指揮:本名徹次、ピアノ:野平一郎、管弦楽:オーケストラ・ニッポニカ。 その演奏は想像していたより遥かに大きな感動と衝撃を与えてくれました。
 小学生の時、当時習っていた ピアノの先生に弾いてもらったことはありましたが中々ピンとこなかったのを覚えています。演奏会では自分の祖父がこんな音楽を頭の中で創造していたのか、という信じられない思いでした。
 祖父は父が小学生の時に亡くなったので、面識はなく、当然思い出もありませんが、残してくれた音楽を通して祖父の想いを感じることができ、オーケストラの演奏の最中は舞台に蘇ってくれたような錯覚に陥ってしまい涙がでてきました。
 没後51年の今、よりたくさんの方々に聴いていただき祖父の音楽を知ってもらえたらと切に願っております。

 公演予定
  @平成17年2月   関西フィルハーモニー管弦楽団
               (於:いづみホール)
  A兵庫県 芸術文化ホール (阪急西宮北口に建設中)
    ・開館記念コンサート
    ・神戸女学院 音楽科コンサート
  Bその他 (時期未定)
    ・オーケストラ・ニッポニカ (於:紀尾井ホールにて)


http://www.naxos.co.jp/

知名度の高さを分母に、未知の音楽との出会いの喜びを分子にとれば、恐らくは最も高い数字が出る邦人作曲家の一人が大澤壽人(おおざわひさと)でしょう。ピアノ協奏曲第3番は、少なくともプロコフィエフのピアノ協奏曲がもう1曲増えたと言えるほどの充実度を示しています。第二次世界大戦前の日本で、これほどモダンなピアノ協奏曲が書かれていたとは信じられません。作曲当時、聴衆に全く理解されなかったという話にも思わず納得。交響曲第3番も同様で、ここまで埋もれていたのが不思議でなりません。作曲家の没後半世紀を経て時は21世紀、ようやく大澤の時代が到来したのです!

平成16年度文化庁芸術祭のレコード部門優秀賞を受賞!!
日本の作曲家による作品を体系的に録音・発売してゆくNAXOS社企画「日本作曲家選輯」シリーズ中の「大澤壽人(おおざわひさと)」が、このたび平成16年度文化庁芸術祭においてレコード部門優秀賞を受賞しました。

受賞理由
「『日本作曲家選輯』シリーズは、これまでにも多くの作曲家を発掘してきたが、このたびの大澤壽人(1907-1953)のアルバムは特筆に値する。とくに「ピアノ協奏曲」(1938年)は、緊張をはらんだ演奏も手伝って、大澤がアメリカやフランスで接したモダニズムを、持ち前の手堅い作曲技法で消化したことを物語っている。」






<付記>作曲家・大澤壽人を知っていますか?

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