『同窓生便り』第4号 98回生 韓 敬「Valuable memories」, 吉岡 佑真「私の軌跡」

韓 敬(甲南高校三年 はん けい)甲南小学校98回生「Valuable memories」

私は甲南幼稚園に入園し、小、中、高と甲南にお世話になった。甲南小学校での思い出の1つに運動会での学年対抗リレーがある。この行事は甲南小学校の醍醐味と言って良いだろう。この種目で優勝するために何度も練習し、先生の方々も目の色を変えて指導してくださった。見事二年生から六年生まで優勝し続けることができ、そして白熱する勝負から、私は小学生ながらも競争心を培うことが出来たと自負している。

私は小学校から野球を始めた。小さい頃からの目標は甲子園に出場することで、中学入学後は硬式野球チームに所属し、高校では甲南高校野球部に所属した。高校野球部では主将を任され、チームを牽引した。
私は怪我で非常に悩まされ、約1年半プレーをすることが出来ず、最後の夏の大会にかける思いが強かった。だが、見えない敵が現れた。コロナだ。この見えない敵が私たちから全てを奪った。怪我からの復帰後、全く練習することが出来ず、挙げ句の果てには夏の甲子園大会も中止になった。小さい頃からの夢を潰され、立ち直るのは難しかったが、代替大会開催を信じて日々練習した。幸いにも代替大会の開催が決定し、私は今までお世話になった方々に最高の姿を見せようと心に決めた。
夏の大会では初戦から順調に勝ち進み、8月7日のベスト8をかけた最終戦に進むことが出来た。相手校は神港橘高校。私は4番ファーストで出場し、たくさんの感情を噛み締めながらグラウンドに立った。非常に緊迫した試合展開で、相手の好投手により得点することが難しかった。
6回裏2アウトランナー1塁でランナーには吉岡君、打席には私が立った。試合展開も相手校優勢で1点欲しい場面がきた。
1607001937076
(背番号3 韓敬、ランナー 吉岡佑真)
絶対に吉岡をホームに返そうとの思いでスイングした。結果、レフトの頭を超え、吉岡が快速を飛ばしホームベースを踏んでくれた。小学校から友人の彼と二人でもぎ取った一点だったので、非常に感銘を受けるものがあった。
1607001953461
(韓敬 タイムリーヒット)
その後も緊迫した展開が続いたが、惜しくもベスト8には届かなかった。その時は悔しさでいっぱいだったが、今はコロナ禍の中、兵庫県で一番長く野球をすることが出来たことに満足している。
私は高校野球からリーダーシップ、自立心や仲間の大切さを学ばせてもらった。これからは野球を通じて培った経験を活かし、世界に羽ばたきたい。

 

吉岡佑真(甲南高校三年 よしおか ゆうま)甲南小学校98回生「私の軌跡」

私は甲南小学校時代から運動が好きで、休み時間によくサッカーをしたり、クラブ活動でもソフトボールなどを選択してよく体を動かしていた。
私の学年は、運動会の学年対抗リレーで小学校2年生の時から最後まで優勝を続け、5連覇を達成した。スポーツ好きの私にはそれも思い出として強く心に残っている。
また、6年生で担任していただいた大崎先生には、色々、親身に指導していただき成長させてくださったことに深く感謝している。
同級生の98回生のみんなとは今でも仲良くしており、甲南小学校での出会いや活動が今の自分の原点となっていると思っている。

甲南中学進学後、野球部に所属し、高校2年時には新チームの副キャプテンとしてショートのレギュラーに定着することができた。
高2時の秋の大会では、県大会まで出場したものの初戦で敗退してしまった。このときの悔しさを忘れずに再始動したが、新型コロナ感染拡大の影響で、活動ができなくなってしまった。しかし、その期間も家での自主練習を積極的におこない、自立という面で大きく成長できたと思っている。
高三の夏の大会は中止になってしまったが、代替大会が開催されることになり、今までやってきたことをすべて出し切ろうという思いのもと、試合に臨んだ。
大会では順調にコマを進め、8月7日にベスト8をかけた神港橘高校との試合に臨んだ。勝敗にかかわらずこれが最後の試合になるので、得点板に3番ショートで自分の名前が刻まれたのを見て、ワクワク感が止まらなかった。
ショートへのゴロを捕球した時には、ファーストに韓君がいるので、とても安心して送球できアウトを取ることができた。
IMG_0735s
(背番号6 吉岡佑真、ファースト 韓敬)
6回の攻撃では2アウトから自分の打席が回ってきた。次に控える4番の韓君になんとしてでも回そうと思った。そして初球のスライダーをずっと練習してきた逆方向へのヒットとし、韓君に回すことができた。
line_545317649337995
(バッター 吉岡佑真)
1塁でリードしながら韓君ならホームに返してくれるだろうと思っていた。そして2球目盗塁のスタートを切ると快音が球場に響き打球は左中間へと飛んで行った。スタートを切っていたこともあり、一気にホームベースまで帰ってくることができた。小学校のときから互いを知る二人で得点できたのは嬉しかった。結果は2対5で負けてしまい、悔しかったが、このチームで野球を県内で一番長くできたこと、様々な人たちに支えてもらい応援してもらえたことはとても光栄なことだったと感じている。今後も高校野球生活で学んだことを生かして、さらなる飛躍につなげていきたい。

1598928842229